マミー型寝袋とは
「マミー」とは、英語で「ミイラ」を表す言葉です。名前の通り、寝ている姿がミイラに似ていることが名前の由来といわれています。
身体と寝袋の間に無駄なスペースがないので密着度が高く保温性に優れており、肩や頭まで覆うことができるため抜群の温かさを誇ります。さらに、軽量でコンパクトに収納できるのも魅力です。
ただし、密着性が高く、身体を自由に動かしにくいので、マミー型の使用に慣れてない人は圧迫感を感じることもあります。
季節を問わず使用できるモデルも発売されていますが、冬キャンプ用のシュラフを選ぶならマミー型から選ぶのがおすすめです。マミー型は頭までピタッと包み込まれるため、冷気の侵入を防ぎ保温性が高いのが特徴です。
寝袋の選び方
寝袋を使う季節で選ぶ
「快適使用温度」と「限界使用温度」。これは寝袋を使用するときの目安となる気温です。メーカーによって表示方法や算出方法は異なりますが、たいていの場合は以下のポイントを目安にするとよいでしょう。
快適使用温度は「使用シーン+5~10℃」程度を目安に
使用温度は、この気温であれば快適に過ごすことが可能であるという目安の温度です。ただし、使用温度に合わせて寝袋を購入したからといって、温かさが十分であるとはいい切れません。余裕を持って使用シーンからプラス5℃程度のものを選ぶのがおすすめです。例えば使用温度目安が10℃の場合、15℃前後のキャンプ場で使用できるということになります。
特に冬の季節に使う場合には、この使用温度が10℃以上で、さらに使用温度目安が高ければ高いほど冬のキャンプでは寒い思いをしてしまいます。冬の季節に使用する寝袋の場合は、使用温度目安は、10℃以下の寝袋を選ぶことをおすすめします。
限界使用温度は使用する季節に合わせて選ぶ
限界使用温度は、ウエアを着込んだりカバーをするなどの工夫をすれば、なんとか一晩過ごすことのできる目安の気温。
夏の低地キャンプなどで使う夏用は5~10℃、春・夏・秋の3シーズン用は-5~5℃が目安。晩秋や冬山での使用には、-5℃以下のものがおすすめです。
なお、商品によっては、温度表示が1つしかないものがあります。その場合には、限界使用温度が表記されているものと考えてくださいね。
中綿の素材で選ぶ
シュラフの中綿に使われているのは大きく分けて「ダウン」「化繊」の2種類。それぞれに特徴があるので買う前に中綿の種類は見ておくのがベターです。
ダウン
ダウンを使った寝袋のメリットは、非常に軽く、小さく収納することができ、保温性が高く、快適な寝心地です。最低使用温度が低く、優れた保温性を発揮し、ふかふかの感触を得ることができるので、どんなアウトドアシーンでも快適な睡眠をサポートしてくれます。
逆にデメリットとしては、化学繊維に比べて価格が高く、水に弱く、メンテナンスが少し大変という点があげられます。
水に弱いうえに濡れると膨らまないため保温性は低下、乾かすのにも時間がかかります。洗う際にも専用洗剤が必要で、カビの発生ををおさえるために保管時にも湿気が溜まりにくく風通しのよい場所に置いておかなければなりません。価格も高めのものが多いため、中級~上級者向けの素材といえるでしょう。
化繊(ポリエステル)
化学繊維メリットは、価格が安くて水に強く、丸洗いができ、収納したまま保管することも可能という点です。
保管が簡単で、価格が安く、水に強いといった優れた耐久性を発揮する抜群のコストパフォーマンスです。
化学繊維のデメリットは、ダウンに比べて保温性が低く、2倍ほど重く大きいという点です。どちらかというと、初心者向けで気軽なアウトドアに最適な素材です。
サイズを選ぶ
マミー型の場合、身体と寝袋の密着度が高いため、あまり小さいものを選んでしまうと快適ではなくなり、逆に大き過ぎても、身体との密着度が低くなってしまうためおすすめできません。
目安としては、
- お子さん・小柄な人 幅75cm程
- 身長170~175cm程度標準体型 幅75~80cm程度
- 身長175~180cm以上・体格のいい人・寝るときによく動く人 幅80cm以上
もし試着できるのであれば、積極的にサイズの確認をしましょう。
なお、子供用の寝袋の中にはサイズが調節できるものもあるので、成長してサイズが合わなくなってしまうかもと不安な人は、サイズ調整できるものを検討してみてください。
ダウンのマミー型寝袋は、封筒型寝袋に比べるとかなり小さく収納できますし、収納しやすいのが特徴です。収納サイズは直径15cm×30cm程度、2リットルのペットボトルくらいコンパクトになるものであれば、持ち運びや家での収納場所にも困らないでしょう。
マミー型寝袋おすすめ5選
モンベル(mont-bell)アルパインダウンハガー800#3
抜群の伸縮性で、寝返りが打ちやすい
中綿に800フィルパワーの高品質ダウンを使用した寝袋です。ダウン素材がボックス構造で封入されているので、ダウンの片寄りを防げるのが特徴。快適温度は-8℃で、特に、冬のテント泊や車中泊に適しています。
トンネルフードやネックバッフルなどの寒気を遮断する構造によって、保温性が高いのも魅力。また、モンベル独自の生地の繊維方向を斜めに配置する「スパイラルストレッチ」が採用されているので、抜群の伸縮性を誇り、寝返りが打ちやすく快眠をサポートしてくれます。
マミー型寝袋は圧迫感があって苦手という人や、寝袋の中でも、ある程度好きな態勢で眠りにつきたい人におすすめの寝袋で、使用した時に身体にフィットしやすく、寝ている間に動きを制限しないので、窮屈感を感じにくいモデルになっています。
なお、頻繁に洗濯すると生地にダメージを与える可能性があるため注意が必要。洗濯後は水気を切り、風通しのよい場所で乾燥させましょう。
ナンガ (NANGA) ウルトラドライダウンバッグ UDD BAG 810DX
国内の厳冬期において、ほとんどの場所で寝ることができる高品質モデル
中綿に高品質で高機能な770FPダウンを使用した、厳冬期環境でも使用できる寝袋です。快適使用温度が-7℃、下限温度が-13℃の高機能モデル。
また、「台形ボックスキルト構造」を採用しているのが特徴で、ダウンの片寄りが抑えられ、内部の熱が逃げにくいので、快適に就寝できます。非常に高い保温性能を有しているにもかかわらず、約1,260gと軽量なのも特徴。
冬の登山やキャンプツーリングにおすすめのモデルです。
イスカ(ISUKA) 寝袋 エア450X
強力な超撥水性能で水濡れに強い
夏の登山から冬の登山まで幅広く対応している素材に800フィルパワーを高品質のダウンを使用したイスカの寝袋です。また、重量840gと軽量ですが耐摩耗性と高い引き裂き強度を持っており、強力な超撥水性能で水濡れに強い丈夫なマミー型寝袋です。
冷気の侵入を防ぐチューブがジッパーの内側に配置されており、内部のあたたかい空気の流出を防ぐショルダーウォーマーも搭載されているため、保温性の高さも魅力です。
さらに、冷えやすい足元部分には他より多目の保温材を封入してあるので暖かく、足元を先端方向に傾斜させている形状によって、足元にゆったりとしたスペースを作っているのもポイント。
3D構造が採用されていることで、身体の形状にフィットしやすいデザインとなっています。
保温性と快適性の両方を求めたい方は、ぜひ購入を検討してみてください。
ISUKA(イスカ) パトロール 600
とにかくコストパフォーマンスが良い
こちらはイスカのベーシックモデルになっており、夏山登山から3シーズンのキャンプにまで対応できるコスパに優れたモデルです。最低使用温度が2度なので、冬での使用は厳しいですが、春夏秋の3シーズンでは問題なく使えます。
サイズは210cm×85cmと大きめな作りですが、軽量性に優れた構造を採用し、化繊ながら重さ1300g、収納サイズは20cm×33cm、化繊シュラフの中でコンパクトな収納が可能な為、登山シーンでも重宝します。
とにかくコストパフォーマンスがよく、これだけ高品質のシュラフをこの値段で購入出来るのは奇跡かもしれません。
CAPTAIN STAG キャプテンスタッグ アクティブ シュラフ600
コストパフォーマンスを重視したい方におすすめ
ほかのモデルよりも手頃な価格ながら機能性が高いのが魅力のキャプテンスタッグ アクティブ シュラフ600 。
中綿にポリエステル素材のホローファイバーを採用したモデルで、表地には撥水性と通気性に優れた「リップストップポリエステル70D」を採用しているので、内部の蒸れにくく、水に強いのも特徴です。
また、ファスナー部分からの放熱や冷気の侵入を防ぐドラフトチューブが採用されているため、保温性を高く保てるので、快適な寝心地をキープできるのも魅力です。
使用時のサイズは約幅80×長さ210cm。付属の収納バッグにしまえば、20×40cmとコンパクトになるため、持ち運びも簡単です。
適応温度は5〜25℃で、春・夏・秋の3シーズンに対応、夏場をメインとして、比較的あたたかい時期におこなうキャンプにおすすめの寝袋です。
お手頃な価格のため、気軽に購入できる製品を探している方にもピッタリです。